乗馬クラブのレッスンで知っておくべき用語・ワードまとめ
通っている乗馬クラブで待ちに待ったレッスン! 同じレッスンを受けている会員同士でも、乗馬レベルに多少の差がありますよね。そのためレッスン中に今まで聞いたことのない乗馬用語がたくさん登場してなかなか覚えられなかったり、ステップアップして新しいクラスに進んだ時に、新しい用語が飛び交っていて困ってしまった!
でも何度もインストラクターに聞くのはちょっと恥ずかしい・・・そんな経験はありませんか? この記事では、次のレッスンまでにぜひ知っておきたい乗馬用語を、初級・中級・上級に分けていくつかご紹介します!
乗馬用語 初級編~まずはこれだけ知っておこう
レッスン用語編
扶助とは、乗馬、馬術などにおいて騎手が馬に合図や指示を伝えるために行う動作のことを言います。扶助には、指示を伝える際にメインで用いる脚(きゃく)・拳・騎座の「主扶助」と、これらを補助するために用いる「副扶助」があります。
歩様とは、馬の歩き方、走り方のパターンのことをさします。
馬が動くスピードによって変化していき、おおまかに 常歩(なみあし)・速歩(はやあし)・駆歩(かけあし)の3つに分けることができます。これらを三歩様(さんほよう)と呼びます。
競馬で見かけるような馬の全力疾走「襲歩(しゅうほ)」は馬術では使いません。
速歩のときに騎手が馬の動きに合わせて立つ、座るの上下運動を行うこと。馬にとって一番負担の少ない動きで、上手にできると馬の良い準備運動になります。速歩は二拍子の動きなので、「1、2 1、2」とリズムを取ると習得しやすくなります。
自分の指示を馬が正しく聞いてくれたときに、馬の首を軽く叩いて褒め、感謝を伝えることを指します。タイミングによっては馬が緊張感を緩めてしまうことがあるので、速歩から常歩に移行して手綱を緩めたとき、きちんと停止できたとき、レッスン終了時などにしっかり愛撫をして馬を労いましょう!
乗馬用装備編
①ヘルメット
②ボディプロテクター、エアバッグベスト
③グローブ
④ライディングブーツ(乗馬ブーツ)
⑤キュロット
落馬などのアクシデントから頭部を保護します。
こちらも、騎乗時や手入れの際の安全のために着用します。
手綱を捌くときに滑りにくくし、手指を摩擦から守ります。
乗馬では、鎧(あぶみ)にしっかり足を安定させるために、
ヒールのある足首の固定されないブーツを着用します。
ロングブーツ
ショートブーツ
乗馬用のブーツにはショートブーツとロングブーツの2種類があります。
ショートブーツを使用する際は、ふくらはぎをカバーするチャップスも一緒に着用します。ロングブーツに比べて手入れが楽で、脱ぎ履きもしやすいのがメリットです。
一方ロングブーツは高価という面もありますが、一度足に馴染むととても動きやすく、しっかり手入れすれば長く使うことができます。
また、馬術などの競技会に参加する際は、正装としてロングブーツの着用が求められます。
乗馬用の伸縮性に富んだパンツです。革やシリコンを使用しているのでグリップ力が強く、鞍との摩擦からも脚を守ってくれます。
安全や乗馬の上達を妨げないためにも、自分の身体にフィットしたものを選びましょう!
その他、乗馬クラブの方針にもよりますが、紳士淑女のスポーツと言われる乗馬では襟付きのシャツやポロシャツを着用することが一般的になっています。
乗馬用語 中級編~これを知ってると脱・素人!
レッスン用語編
歩度(ほど)とは、馬の歩幅・歩く速さのことです。歩度を「伸ばす」は馬の前進気勢を作り、歩幅を広げ元気よく歩く、走るペースを上げていくことを指します。歩度を「詰める」は、反対に歩幅を狭めてペースを落とします。
蹄跡とは馬場の外周を指します。
蹄跡行進は馬場の四辺の柵やラチに沿って、約1m内側のところを直進する運動です。
トレーニング前の準備運動や、馬の歩様を確認するためなどに行います。
手前には2つの意味合いがあります。
①馬場を運動する際の進行方向
右回りに運動する際は「右手前」 左回りの場合は「左手前」。
「手前を変える」というのは回る方向を変えるということです。
②軽速歩の際の乗り方
馬場の進行方向と馬の脚の動きに合わせて、軽速歩の立つ・座るのタイミングを変えることを「手前を合わせる」と言います。
手前合わせをする理由としては、馬が重心のバランスを取りやすくなり、さらに右回り、左回りと手前を変えることで、馬のどちらか一方の肢だけが疲れないようにする狙いがあります。
馬具用語編
人が乗馬をする際に馬の背中に置く馬具。 鞍の歴史は古く、なんと紀元前4〜7世紀にはすでに騎馬民族によって原型が作られていたと言われています!
騎乗するスタイルによって 障害鞍、馬場鞍、総合鞍と形状が異なります。 裸の馬の背中に衝撃を吸収するゼッケンやゲルパッドを置いてから鞍を乗せ、腹帯を締めて身体に固定します。
ハミとは、馬の口の中に噛ませる金属状の棒のこと。拳による騎乗者の扶助を、馬へ口の刺激として伝える役割を持っています。手綱はハミと騎乗者の拳を繋ぐ紐状の馬具で、これによって左右の方向転換や、停止の指示を馬に伝えることができます。
鞭は脚や拳などの「主扶助」を補助する「副扶助」として活用します。
長鞭(ちょうべん)
短鞭(たんべん)
一般的な乗馬では長鞭と短鞭の二種類をメインに使います。
長鞭とは長さ100~120cmの長い鞭のことで、おもに馬場馬術や反応の重い馬に対して用いられます。短鞭は長さ65~75cmほどの鞭で、長鞭と比べて馬体にむやみに触れず、加えて馬への刺激が少ないため初心者・中級者が扱いやすいとされています。
扱い方によっては馬を興奮させてしまうこともありますので、鞭に頼りすぎずあくまで扶助をサポートする道具であることを念頭においておきましょう。
馬の生態編
【馬の食事】
主に乾燥させたイネ科やマメ科の牧草を食べますが、馬によって運動量や体調に違いがありますので、麦や豆などの穀物類、消化の良いマルチ栄養な固形飼料(ペレット)、ミネラルを含んだ食塩などを調合して与えています。
馬は身体の大きさに対して、食べ物を消化する胃が10kg弱と小さいため、消化不良を防ぐためにも食事は一日3~4回に分けてすこしずつ食べさせるなどの工夫が必要になります。
乗馬用語 上級編~ベテランの仲間入り
乗馬を続けていくと、より専門的な乗馬用語、競技会やスポーツの大会で使う馬術用語も耳にする機会が増えてくることでしょう。ここで紹介する用語を耳にし始めたということは脱中級者への道のりが開けたということかもしれません。乗馬上級者を目指してファイト!
レッスン用語編
正反撞とは、速歩(はやあし)のときに立つ・座るの動作をせずに座ったまま乗る騎乗方法です。
※簡単に言うと軽速歩運動をせずに、鞍にぴたっとお尻をつけたままにする状態のこと。
馬場馬術でよく見るあの乗り方だよ!
座った状態で速歩をすると、馬の背中の反動をまともに上半身に受けることになります。
揺れが大きいので最初のうちは難しい・・と感じるかと思いますが、正反撞のバランスが取れるようになると姿勢が安定するので今後のトレーニングに大いに役立ちます。
駆歩は馬の歩様のうちのひとつ。
三拍子の歩法で、常歩や速歩にくらべてかなりスピードが上がります。
馬の身体にも大きく前後に揺れるような動きが加わるので、騎乗者は走る馬の背中の勢いを殺さないように騎座や体幹でやわらかく衝撃を吸収する必要があります。
半減却とは、馬に前駆の起揚、同時に後躯の踏み込みを求め、馬が次に行う運動のためにバランスを整える指示のことを指します。わかりやすく言うと、今まで前のめりに前進していた馬の重心を後ろ足のほうに移し、後方にバランスを移動させるということです。 馬術などの動きには後駆の踏ん張りが必要な場面がたくさんありますので、半減却はとても重要な技術です。 運動する馬のバランスを細かく修正することで、発進・停止や歩法の切り替えをスムーズに行うことができるようになります。
馬具用語編 ~馬の手入れ~
乗馬の上達のためには、ただ馬に乗るだけでなく、その前後の馬の手入れやお世話をすることが必要不可欠です。心を込めて手入れをし、馬への理解を深めていきましょう。
ここでは手入れに必要な道具のいくつかをご紹介します。
根ブラシ
毛ブラシ
ゴムブラシ
馬の身体についたフケや寝ワラなどの汚れを浮かせたり、毛並みを整え、血行を良くするために使います。種類としては根ブラシ、毛ブラシ、ゴムブラシなどがあります。
ブラシをかける際には、まず馬にブラシのにおいを嗅がせてやり、今から何をするのか教えてあげるといいでしょう。ブラシは馬の顔から遠いほうの手で持ち、空いている手は馬の身体にそっと添えておきます。そうすることで馬が安心し、足を踏まれたり蹴られたりする危険を減らすことができます。
構造上、馬の蹄(ひづめ)の裏側には、泥やおがくず、ボロなどの汚れが詰まりやすくなっています。
汚れがたまったまま放置していると、蹄から悪臭が出て出血などを引き起こす「蹄叉腐爛(ていさふらん)」という病気を発症してしまいます。
これを防ぐためにテッピという道具を使い、馬の蹄に詰まった汚れを定期的にかき落とし、清潔を保ちます。
https://www.jothes.net/contents/3023/
馬の生態編
【馬はどうやって眠る?】
馬は野生では常に周りを警戒しながら生活してきた草食動物です。その名残もあり、今でもわたしたち人間のように連続した長い睡眠をとることはあまりありません。
そのほとんどが立ったまま目を閉じてまどろんでいるような状態で休んでいます。 例外として、自分のにおいがする落ち着く馬房などでゴロンと身を投げ出してすやすや眠る馬もいるそうですよ!
時折、眠っている馬が急にいなないたり、走るように脚をばたつかせるのを観察されることがあります。
本当のところは馬に聞いてみなければわかりませんが、馬たちももしかしたら夢をみているのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
乗馬用語は独特な言葉が多いため、初めのうちは戸惑うこともたくさんあるかと思います。
用語を覚えていくにつれインストラクターの指導の内容を深く理解でき、効率的にトレーニングをすすめることが出来るようになります。
大人から始めたとしても奥が深く、長く楽しめるのが乗馬のすばらしいポイントです。
分からないことを楽しんで、たくさん学んで、自分のペースで自分の乗馬スタイルを作っていきましょう!
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