なかなか上達しない人のパターン
1、姿勢が良くない
動いている馬の背でスッと上に伸びた姿勢を保つことは、乗馬の基本であり、上達していくうえでとても大切な要素です。初心者の方がついしてしまいがちな姿勢を挙げると・・・
・馬の動きに身体がついていけず、後ろに反ってしまっている
・鞍の上にまっすぐ座れず、左右どちらかに傾いてしまっている
この3つが特に多いのではないでしょうか。
馬は自分の背中に乗っている人間の動きにとても敏感です。少しバランスが崩れると走りづらくなってしまい、
やる気がたちまちなくなってしまうことも・・。
2、必要以上に馬を怖がる
馬の体重は、サラブレッドだとなんと400〜500kg、小さなポニーでも約200kg。
普段接する動物の中でも群を抜いて大きいですよね! 牧場や体験乗馬で初めて馬に対峙した時に、その身体の迫力に圧倒された人もたくさんいらっしゃると思います。加えて馬はとても臆病な草食動物です。人間が気にもかけない小さな音や視界に入ったものでひどく驚き、思いもよらない大きな動きをしてしまうことがあります。
「こんな大きな馬を目の前にして、いったい何をどうしたらいいの・・・??? 」
馬も「この人は僕(私)に何をするつもりなんだろう?分からない!」と怯えてしまい、触られるのを嫌がる、
そして「怖い!」の無限ループが起きてしまうのです。
3、馬の状態と自分の指示がチグハグになっている
先生に言われた通りに扶助を出しても、なかなか自分の思ったように馬に伝わらない・・そういうもどかしさを感じたことはありませんか?
インストラクターの号令に合わせて、脚や鞭を使って指示を出しても、馬はどこ吹く風でまったく動かない、走り出さない・・。 周りの馬は動いているのに、と焦って扶助を強めてみても、言うことを聞くどころか怒り出してしまう! いったいどうして?とすっかり困ってしまったことは、皆さん一度は通る道なのではないでしょうか。
そうなってしまった時に、馬に自分の指示を受け入れてもらうにはどうすれば良いのでしょうか?
それぞれの原因と改善方法
1、姿勢の崩れは緊張と身体の硬さから。馬の上で深呼吸してみよう
初心者が馬の上で姿勢が崩れてしまう大きな原因のひとつは、やはり緊張からくる身体のこわばりです。
- 最初のうちは馬のことが気になって、馬の顔色や耳のあたりをじっと見つめてしまいがち。
- そうすると目線が少しずつ下がっていき、猫背気味になり、重心が前に傾いてしまいます。
- 重心が前に傾くと、馬がスピードを上げた時に踏ん張ることができず
- そのまま前方に落馬してしまう可能性が大きくなります。
後ろに上半身が反ってしまうのも、身体に力がこもりすぎて硬くなり、前に進む馬の動きについていけずに取り残されてしまうのが原因です。
騎座が左右に傾いてしまうのは、腹帯がゆるんで鞍が動いてしまう状態になっているか、常に同じ方向に傾いてしまう場合は人それぞれにある身体のクセが由来します。
身体や騎座の左右の傾きは、後々に上達してきてより繊細なバランスを求められるときにネックになってきますので、早いうちからインストラクターや経験者にその都度確認してもらい調整するか、自分が騎乗しているところを動画で撮影し、一度客観的に観察してみるのも効果てきめんです。
2、恐怖心は忘れずに、はっきりとした態度で接しよう
先に述べたとおり、馬は人間の何倍も大きな身体を持っています。
後ろ足で蹴られれば大怪我をしますし、噛みつかれることも決してないとは言えません。
「怖い」と思う気持ちはこれから馬と親しみ、乗馬を続けていく上で忘れてはならない大事な気持ちです。
馬に慣れ、恐怖心を失ってしまった時に起こる事故はとても多いのです。
自分の「怖い」はどこから来るのか?をよく噛み砕いて考えてみることが大事です。
本来馬は群れで暮らす動物で、馬の社会の中では上下関係がはっきりと決められています。
馬同士は常に順位をつけ合い、トップである群れのリーダーは、危険をいち早く察知し、仲間を安全な道へ導くことが求められます。信頼できるリーダーを据え置くことで、仲間たちは安心して草をはむことができます。
人間と馬が一緒にいる時も、馬はどちらの順位が上かな?とじっと考えています。
緊張してビクビクした人には、とても自分のリーダーなんて任せられませんよね。
不安に思った馬は目を険しくしてみたり、首を大きく持ち上げて自分の方がえらいぞ!と主張してみたりするのです。それが馬を怖いと感じる行動の一つではないでしょうか。
毅然とした態度を取ることで、馬はむしろ落ち着いて、こちらのいうことに耳を傾けてくれるようになります。
最初のうちは難しいかもしれませんが、「あっちに一緒に行こう」 「ここに入ってみよう」など、単純な指示をしっかり聞いてくれるようになるまで練習してみましょう。
馬が人間に反抗的な行動をしてくるときは、原因は馬ではなく、こちらの行動が馬を不安な気持ちにさせてしまっていることがほとんどです。その不安を解消したい防衛反応として攻撃的な仕草が現れるのです。
3、馬は機械ではなく生き物。動きや気持ちを観察してみよう
何をやっても馬が言うことを聞いてくれない・・そういう時は、一度大きく呼吸をして、今の自分と周りの様子を確認してみましょう。 あなたの馬は今何に注目していますか?
馬にも感情があり、同じ馬でもその日の体調や気分によって乗り心地は変わってきます。
自分と状況を置き換えてみましょう。今までじっとのんびりしていたのに、急に走れ!とどかっと蹴られたら、いくらなんでもびっくりしてしまいますよね。
加えて、馬の視界はとても広く、真正面とお尻のあたり以外はすべて見えているんだそうです。
と言うことは、実は自分の上に乗っかっているあなたのことも馬はじっくり観察しているんです!
上にいる人間の様子を見て、真面目に頑張るか、サボってしまおうか、馬は考えているんですね。
馬によく動いてもらうためには、馬の気持ちを観察することが何よりも大事です。
↓
少し反応があれば、そのまま。 なければ、少しだけ強く扶助を入れてみる。
↓
動かなければ、いっそ指示をやめて、一度0の状態に戻ってみる。
ただ踵を力任せに蹴り入れるのではなく、馬に聞いてみるような気持ちで。
その場、その時の馬の状態を感じ取って必要な分の指示を出せるようになれば、馬も走ることを楽しんでくれるようになります。そのことが感じられた時、もっと馬が好きに、もっと乗馬が楽しくなっていきますよ。
まとめ
乗馬を始めたばかりの人にまず壁となって立ちはだかるのは、
新しいことに挑戦する緊張と、馬に対する恐怖感だと思います。
そのふたつを一気に改善する方法は、やはりこれしかありません。
たくさん馬と触れ合い、失敗しても何度でも馬に乗ることです。
実際に自分で感じて得た経験と知識を同じように積み重ねていけば、より深く馬を理解することができますし、「知らない」ことが由来する問題はすぐに解決していきます。
気づけば最初の壁はいつの間にか越えて、またすぐ新しい目標が見つかることでしょう。
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