エンデュランス・馬車・軽乗・レイニングとは?競技ルールや技・見どころを徹底解説

エンデュランス・馬車・軽乗・レイニングとは?競技ルールや技・見どころを徹底解説

乗馬にはスポーツとしての競技種目がいくつかあります。

オリンピックで実施される馬術競技は障害馬術、馬場馬術総合馬術のと近代五種競技(障害飛越)の4つです。パラリンピックではパラ馬術(馬場馬術)のみです。

そのほかにもエンデュランス、レイニング(ウエスタン)、馬車、軽乗などもあります。
日本ではあまり知る機会が少ないかもしれませんが世界的には馬術の1競技として有名です。
今回はそんなエンデュランス、レイニング(ウエスタン)、馬車、軽乗について各競技ごとに簡単にご紹介します。

エンデュランスとは?

正式名は「エンデュランス馬術競技」といいます。英語ではendurance。


エンデュランスは「馬の長距離マラソン」とも言われる競技で、トップレベルの競技会では160kmにも及ぶ長距離を走ります。長時間にわたる長距離移動レースなので人馬ともに気力と体力が必要です。

競技と言うからには走行タイムを競うタイムレースでもあります。しかし、単にタイムが速ければ優勝というわけではなく、「馬のウェルフェア」を大事にしているので、馬の健康管理・元気さが重要になります。レース毎の細かい馬体検査(ホースインスペクション) を合格しなければ失権(レース続行不可)となります。

走行タイムを競いながら、いかに馬のコンディションを保つかを競う競技

エンデュランス馬術競技の見どころ

見せどころはズバリこれ!!!
最大距離120kmの長距離を走破する姿と、必死の愛馬メンテケア!
いくら優秀なライダーと素晴らしい才能を持った馬でも、休憩なしでは走破できません。競技は定められた区間(レグ)ごとに走行タイムを競い、区間毎に給水やケアをしたり、馬体検査をクリアしなくてはなりません。
計120キロの距離の走行タイムは約9時間ほど。人馬ともに9時間も運動を続けるのは相当な運動量です
走行タイムとは別にで「ベストコンディション賞」を受賞することは誉れ!
馬の健康状態が最も良い状態の人馬に贈られる特別な賞です
エンデュランス競技では、走行タイムが華ではありません。いかに馬のコンディション健康状態を良く保つか、ダメージを減らすか、馬を大事にできるかも注目されます。時には、馬の安全を最優先に馬を降りて曳き馬をすることもあります。馬をただの移動手段としてではなく大事な相棒、じぶんの肢を労うように馬をケアします。
ホースマンシップ、ウェルフェア精神、愛馬精神も求められます。
馬の健康状態の見極め、人の精神力や忍耐力、チームサポーターの力すべてのバランスが大事

馬車とは?

正式名は「馬車競技」といいます。英語ではコンバインドライビング、ドライビング(driving)

個人競技、団体競技、馬匹の数や競技種目も複数あります。

マラソン(クロスカントリーのようなコース)、馬場馬術や障害飛越競技のように設置されたコーン(将棋物)を猛スピードで走り抜ける種目など複数存在します。

馬車競技のみどころ

馬力がスゴイ!これぞ複数馬のパワー!動きがダイナミックパワフル且つ繊細!
大迫力の馬車の運動に大注目。頭数が増えれば馬力も違う!そして統率するドライバーの凄腕にも注目です
まるでアクション映画のワンシーン!チーム戦はサポートもかっこいい!
チーム戦になると、手綱を操作するドライバーの他に馬車の後ろの席にチームスタッフも同乗します。
特に走行タイムを競う競技では猛スピードの激しいコーナリング時に、馬車から外に身を乗り出してバランスを取ったりするシーンがあります。馬車ごと転倒することもあります。本当に大丈夫なの?!と終始ドキドキハラハラ大迫力です。

レイニング(ウエスタン競技)とは?

レイニング(ウエスタン競技)とはウエスタンスタイルで行う競技のことです。

レイニング競技では、スピン、ロールバック、スライディングストップなど牛を追いかけるカウボーイの動きを基に作られた競技です。ウエスタン乗馬ならではのダイナミックな技が多いです。

上記にあげたようないくつもの技を既定のパターン通りに行う競技で、ブリティッシュ乗馬でいう馬場馬術にあたります。フリー演技のフリースタイルレイニングというのもあります。

レイニング競技(ウエスタン競技)のみどころ

日本では馴染みが薄いウエスタンスタイル乗馬のレイニング競技ですが、注目して見ると面白いポイントがいくつかあります!普段はブリティッシュスタイルの乗馬をされている方には新鮮な刺激になるかも!?

強靭な馬が美しくかっこいい!強くて筋肉質の体、強力な胸、丸い後部!
レイニングやウエスタン競技の馬を見るとすぐにわかると思います。アメリカンクォーターホースというアメリカ種の馬が多いです。ブリティッシュに多いサラブレッドをほっそり華奢だけど筋肉スタミナのある長距離マラソン選手とすれば、レイニング競技に多いクォーターホースは、筋肉モリモリの瞬発力のあるパワー系短距離100m走選手というイメージです。
息をのむ大迫力のスピード・コントロール・パワーで華やか!
ウエスタン乗馬では、馬本来の自然な動きを尊重しつつ、如何に馬の抵抗少なくスピードやパワーを保持した状態でのコントロールができるか、そして馬にいかに指示を正確に伝えるかが重要なポイントになります。
大迫力のスピード・パワー!ですが、動と静を切り分けて隔てるのではなく、なめらかに流れるような馬の動きと静止のコントロールを行う様子は素晴らしいです。ウエスタン独特の魅力があります。

軽乗とは?

軽乗(けいじょう)とは、英語ではvaulting

日本では曲芸馬術とか曲芸乗馬とも呼ばれることがあります。競技の種類も個人戦チーム戦、自由演技、歩様の種類、右回り左回りなどグレードも様々です。1匹の馬に3人で乗って馬上で肩車など行うこともあります。

調馬索運動で直径13メートル以上の円状をノンストップで動き続ける馬に、人が飛び乗ったり飛び降りたりしながら馬上で体操する競技です。簡単に言うと馬の上で行う体操競技です。

軽乗競技のみどころ

命綱も手綱もナシ!軽乗鞍と自身の体だけでバランスを取るスゴ技の数々
馬のの反動をものともせず、まるで平均台の上で体操を行っているかのようです!
鐙なし、手放しで馬の背中に乗り降りジャンプをしたり、馬上で倒立をしたりまさに曲芸です。
動じない馬がスゴい!正確に調馬索運動をさせ続ける人もスゴい!
乗る時も降りる時も馬はずっとノンストップで運動を続けている状態です。競技の種類によって歩様も変わりますが、上級レベルの大会では駈歩を出し続けます。人が跳んだり乗ったり降りたりしてもずっと集中して同じリズム速度歩度で運動を保つのは簡単ではありません。凄まじい集中力と忍耐力を持った馬と、ペースを一定に保つ管理ができる凄腕のパートナーが必要です。

馬術の競技をはじめるには?

誰でも馬術の競技を始めることができますが、技術面で様々な高いスキルや熟練度が必要になります。競技を始めるためのステップアップの順番として分かり易い技術の指標として乗馬の各種ライセンスや資格の取得を目指すことから始めることをおすすめします。スキルアップしていき上級のB級資格を取得すると公式の大きな大会に出場することもできます。

乗馬スタイルが違ったり、馬術といっても様々な種類がありますが、まずは基本の乗馬技術をお近くの乗馬クラブ取得することがいいかもしれません。後々ブリティッシュからウエスタンに転向する方もいらっしゃいます。

※馬車、ウェスタン乗馬、軽乗の技術を習得するための乗馬クラブ、レッスンなどは現在調査中です。

競技に興味があるということを乗馬クラブのスタッフや指導員に伝えてみましょう!
クラブによっては、競技向けのレッスンや強化指導コースがある場合もあります。
興味を持った人は、ぜひオリンピックの馬術競技についてもチェックしてみましょう

まとめ

  • 競技の種類や内容が変わっても基本的な乗馬の知識や技術が必要
  • 競技によっていろいろな鞍や馬具がある
  • 乗馬スタイルや競技によって馬の種類もかわってくる

 

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