突然ですが、みなさんは馬の性別に種類がある理由を知っていますか?
この質問にハッとした人は多いのではないでしょうか?
乗馬レッスンや競馬の馬匹名簿で、または厩舎・馬房で「セ・セン・騙馬(せんば)」という表記を見かけますよね?
「え? セン? オスとメス以外の性別があるの?」と気になったことがありませんか?
そんな疑問を解決すべく「馬の性別に種類がある理由」をリサーチしてみました!
そもそも馬の性別の種類とは?
乗馬ではオスメス関係なく様々な馬とレッスンや競技に出場しますね。競馬では性別を別けたレースがあるように、一説によると性別によって馬の性格や行動パターン、筋量にも差があり競技やレースに影響があると言われています。
牡馬〈ぼば〉
文字通り牡(オス♂)馬のことです。
競馬ではオス馬限定のレースはないので、性別に限定されないレースのみ出場できます。
一説によると、夏の競馬のレースは。メス馬よりもオス馬のほうが強いとも言われています。
メンズパワー!夏以外もパワーはあるけど、メス馬の陰に隠れがち
牝馬〈ひんば〉
文字通り牝(メス♀)馬のことです。
競走馬としてのメス馬は、メス馬限定のレース(G1、桜花賞、オークス、エリザベス女王杯など)とオス馬も一緒に走るレースに出場することができます。
メス馬は、全体的に気性が荒く走れば強いが、気象の粗さのあまりテンションが上がりすぎて体力を消耗してしまうこともあるなど、競馬ファンを悩ませる一面もあるそうです。
馬も人間もレディは丁寧に扱ったほうがいいのかも…
騸馬〈せんば〉
去勢手術を行った牡馬の事をセン馬(騸馬)といいます。
馬の第三の性とも呼ばれていますが、オスかメスかで別けるならばオスになります。
厩舎や馬房の馬匹紹介・競馬新聞やデータ表記では「セ・セン・せん」等とも表記されます。
去勢をすることで、オス馬の男性ホルモンとメス馬の女性ホルモンのいいところが混ざって体質や気性の大幅な改善に繋がります。雌雄のいいとこどり改善のため、柔軟な動きができてバランスがよく、馬場馬術や障害飛越などの乗馬競技には好まれる性別の一つでもあります。
ただし、セン馬は競馬の大手レースの東京優駿や皐月賞等、所謂「クラシック競走」や一部のGⅠ競争に出走できないというルールもあります。
セン馬はメンズだよ!素晴らしい功績を残したセン馬も沢山いるよ!
前に描いたんですけど、結構好きなのであげさせてください。
騸馬が牝馬のレースに出走しようとしている。 pic.twitter.com/ORlPDNil5b
— oguogu牧場の牧場長 (@O5eIrxJuZHQ82Xe) July 14, 2020
なぜ?去勢をしてセン馬になる理由とは?
そもそも、なぜオス馬の去勢をしてセン馬にするのでしょうか?
去勢?!手術するなんてちょっとかわいそう…と思う人も多いかもしれませんが理由があります。
セン馬にする3つのメリット(1)気性が落ち着いて折り合いがつきやすくなる
気性の荒さは、牡馬に多く分泌される男性ホルモンが強く影響します。
そのため、去勢で男性ホルモンの分泌が減ると、気性も落ち着いてくることが多く、人の言うことをより聞きやすくなるのです。
つまり、レース中の騎手の指示に従順になる可能性が高く、折り合いがつきやすくなります。
これにより、無駄なエネルギーをレース中に消費しなくなり競走成績が上がるほか、ふだんの調教もしっかり行えるようになり、そちらの面でも能力が高くなるのです。
(2)女性ホルモンで体が柔軟になる
男性ホルモンの減少は、相対的に女性ホルモンのバランスが強くなることを意味します。
女性ホルモンは、一般的に筋肉を柔軟にする効果があると言われているのです。
その柔軟な筋肉は瞬発力を高めるとも言われ、結果として競走能力の向上につながるのです。
(3)故障(ケガ)のリスクが減る
人間でも、運動前に筋肉の柔軟性を高める準備運動をすることは当然のことです。
これは、筋肉が硬いままだと伸縮の際にケガをしやすいからですが、柔軟な筋肉は、逆に故障をしにくい筋肉だといえます。
さらに、女性ホルモンが強くなると、筋肉疲労も少なくなるともいわれています。
筋肉疲労の蓄積も、ケガとなる要因ですから、この面でも故障のリスクが減るというわけです。
諸説あるようですが、理由としてはこう言った意見が多く見られました。
- 気性が落ち着いて折り合いがつきやすくなる
- 精巣の病気やケガのリスク低減につながる
- 女性ホルモンで身体が柔軟になり、柔軟な素晴らしい筋肉が育つ
もちろん、去勢することによるデメリットもあります。
セン馬にする2つのデメリット
- 生殖能力がないため種牡馬になれない
- クラシック競走に出られなくなる
メリット・デメリットは表裏一体ですが、馬の健康上は病気になりにくいことがメリットとして大きく取り上げられます。
実際に活躍したセン馬を見てみる
実際に活躍した有名なセン馬たちの様子をご紹介します。
サウンドトゥルー(2010年生まれ)
現役のセン馬の中で最も活躍しているのがサウンドトゥルー。
2015年の東京大賞典(G1)を制するなど、ダートの地方交流重賞を中心に大活躍しています。
1800m以上のダートG1では全て3着以内、という安定した成績を残している事でも知られていますよね。
カレンミロティック(2008年生まれ)
2016年の天皇賞・春で1着・キタサンブラックと大接戦を演じ、強烈な印象を残したカレンミロティック。
8歳になっても衰えを感じませんし、大目標としているオーストラリアの伝統G1・メルボルンカップでの健闘も期待できますよね。
エリモハリアー(2000年生まれ)
筆者が最も印象に残っているセン馬はエリモハリアー。
G1で目立つ走りを見せたわけではありませんが、函館記念(G3)を3連覇(2005年~2007年)した事がある馬です。
2011年からは、重賞3連覇の偉業を達成した思い出の地・函館競馬場で誘導馬を務めています。
活躍した・しているセン馬とは?
日本ではセン馬自体が少ないためあまり目立ちませんが、引退馬・現役馬で活躍している馬はちゃんと存在しています。
では、代表的な名馬を挙げてみましょう。
ノンコノユメ(現役)
現役で活躍しているセン馬の中で、もっとも注目されている馬でしょう。
逃げ・先行の脚質が強いダート界のなかで、最後方から一気に追い込んでくる珍しいタイプでありながら、2018年のG1フェブラリーステークスを優勝しました。
セン馬にする前から活躍していましたが、より活躍できる環境を求めてセン馬になった1頭です。
カレンミロティック(現役)
芝の中長距離レースにおいて、逃げ・先行馬として長く活躍している馬です。
G1勝利こそありませんが、天皇賞(春)で2着1回と3着1回、そして宝塚記念で2着と、いずれも人気薄でありながらG1で馬券に絡みました。
重賞は金鯱賞を勝利しています。
サウンドトゥルー(現役)
ノンコノユメと同様、ダートの一線級の差し馬として長く活躍しています。
JRAのG1勝鞍はチャンピオンズカップのみですが、地方交流レースの東京大賞典や、JBCクラシックなども優勝しています。
レガシーワールド(引退)
93年のジャパンカップをセン馬で初めて勝った馬です。
二冠馬であるミホノブルボンの同期の僚馬としても知られ、ライスシャワーやメジロマックイーンなどと先行力を活かして名勝負を繰り広げました。
マーベラスクラウン(引退)
レガシーワールドが勝った翌年、94年のジャパンカップを立て続けにセン馬として連覇した馬です。
この年の三冠馬ナリタブライアンの主戦である南井騎手(現調教師)が騎乗して勝利し、94年が南井騎手の年であったことを印象づけました。
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まとめ
馬には性別が3種類もあります。性格や体つきや行動にも影響すると言われている性別ですが、オスもメスもセンもどの馬もかわいい愛らしいのには変わりはありませんね!せっかく得た知識・情報を活かしてこれから乗馬クラブや競馬、馬を見たり触れる機会には馬の「性別」にもぜひ注目してみてください♪
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