外乗・ホーストレッキングとは?
日本では外乗とホーストレッキングは、ほぼ同じ扱いの意味で「馬場の囲いの外で乗る行為」で、分かりやすく言うと乗馬クラブの練習場の外で乗るといったイメージです。乗馬体験、ショートライド、トレイル体験などとも呼ばれます。ちなみに、海外では、同じ外乗でも、走行コースや内容によってホーストレッキング、トレイルライド、ハッキング等とジャンルが細分化されているようです。
外乗・ホーストレッキングでは何をするの?
馬に乗って歩いたり走ったり移動することを「乗馬」と呼びます。
動物園や牧場で馬を眺めるだけではなく、実際に馬と触れ合うとなると少し勇気が要りますね。
どんなことをして何を楽しむのか、乗馬の魅力に触れながら紹介しましょう。
一口に「乗馬」と言っても大きく分けて3種類あります。
- 曳き馬(引き馬)
- 乗馬
- 外乗(がいじょう)、ホーストレッキング
「外乗・ホーストレッキング」は、文字通り「外で乗る」乗馬のことを指します。
「乗馬+トレッキング」というレジャーで、大変人気なアクティビティです。
これは、決められた敷地内(施設内)だけではなく「外乗(がいじょう)」といって、山道や森林、草原、海岸など大自然のフィールドで乗馬体験ができます。人間の目線よりも高い馬の上から見る景色を楽しむことができます。敷地内の馬場で少し馬に乗る練習をしてから、外に出ます。
最近では旅行宿泊、観光と合わせてパッケージセットになったホーストレッキングツアーなども多くありますので、全国各地の旅行や季節にあわせてその地で外乗するのもおすすめです!
所要時間の目安は約1時間~長くても2時間程度。
いろんな種類の外乗のタイプがある
外乗・ホーストレッキングを体験できる施設によって走行コースも大きく異なります。
季節の自然・景色を楽しむコース、時間帯による景色(夕焼け・夜)を楽しむコース、長時間乗ることや海水浴をすることを目的としたコースもあります。
人気のコースを参考に少し説明と紹介します。
- プライベートライド
他の参加者と干渉せず、仲間だけでたのしめるプライベートコース - ビーチライド、ヤシの木ライド
砂浜や海辺のコース - マリンライド、海ライド、海泳ぎ
砂浜~海の中まで入って海水に浸かるコース(馬と海水浴) - サンセットライド、ナイトコース
夕陽や夜の景色を楽しめるコース - ネイチャーライド(山林・自然・山道など)
山の大自然を楽しめるコース - ロングライド
通常よりも長くたっぷり外乗できる長距離コース - 上級者や経験者向けコース
速歩や駈歩を交えながら走行する乗馬経験者向けコース
※乗馬未経験だと、馬のコントロールが難しいです。
乗馬ライセンスでいうと4級~3級相当の技術が必要です
【2020年版】今すぐ使えるInstagram乗馬・馬術・馬のハッシュタグと使い方【まとめ】
最近では、旅行や宿泊プラン・飲食とセットになった体験パッケージなどもあり、「外乗」だけでも様々な種類、施設によって異なる体験内容が実施されたりしています。希望にあった外乗の体験を探して選びましょう。
外乗・ホーストレッキングをするメリット・デメリットとは?
外乗・ホーストレッキングをするメリット
乗馬を始める理由の一つに「かっこよく大自然を馬で走り抜けたい!」と外乗への夢をもつライダーも多いのではないでしょうか?少なくとも筆者はそのうちの一人です。
メリット
- 海や山、自然の中を走って映画やドラマの主人公気分になれる!
- 普段見れない景色を馬の背中から眺めることができる
- 人の足では進みにくい道も颯爽と馬でトレッキングすることができる
- 競技や正確さを学ぶ乗馬レッスンとは違い、自由に馬で走りたい!
- 非日常体験ができる
外乗・ホーストレッキングをするデメリット
デメリット
- 体験のお金がかかる
- ケガや事故のリスクがある
- 屋外だと日焼け・雨天中止のリスクがある
乗馬は、生きている動物、馬と接するので、もちろんリスクはあります。乗馬中に、馬から落ちて落馬したり、不意に馬と接触してケガをする恐れなどがあります。しかし、そのリスクを回避するためにヘルメットや保護具などを装着しますし、万が一の場合に備えて「乗馬体験・外乗(ホーストレッキング)」では1日タイプの保険に加入することが多いです。初めてのことでお金やケガのリスクを考えて不安になりますが、優しく馬に接して、指導員の指示通りにすれば馬が怒ることはほとんどないと言ってもいいでしょう。
ネガティブに感じがちの雨の日の乗馬も、実は「雨の日にしか見れない景色」を楽しむことができる貴重な体験になるのですが、こればっかりは天候・馬の相性・コースの状態にもよって雨天決行かどうかが左右されます。
【乗馬の雨対策】雨の日の乗馬の服装~雨がもたらす危険と安全に過ごす5つの対策~
馬との事故やケガのリスクを下げるためには
- 大きい声を出さない
- 急に走ったり動いて驚かさない
- 急に近づいたり、触らない(指導員の指示を待つ)
- 体調の不良はすぐに申告する
事故防止のために「馬の後ろに立ってはいけない」とよく言われます。馬は臆病でもあり優しく繊細な生き物でもあります。どう接したらいいか分からない場合は「赤ちゃんに接する」時のことを想定してみてください。また、体験中にしんどくなったり、体の不調を感じた場合は無理せず指導員やスタッフに伝えましょう。体の不調が悪化したり、万が一我慢して倒れたりすると馬が驚いて予想外の動きやケガにつながる可能性もあります。
指導員やスタッフの指示に従って行動することで事故やケガのリスクは下がります。
安全第一に務めましょう。
外乗は乗馬経験・ライセンスがあるとさらに楽しくなる
ホーストレッキング(外乗)の際、ライセンスがあると役に立ちます。
乗馬ライセンスが役立つ具体例
- 騎乗レベルの確認(どれくらい乗馬経験があるか)
- 乗馬、馬に対しての知識、経験の確認
- 経験者用のコースを体験できる(馬で早く走れる)
具体例の中でも一番目を惹く内容は、やはりこれではないでしょうか?
- 経験者用のコースを体験できる(馬で早く走れる)
体験するホーストレッキング(外乗)のコースや施設によっても基準は異なりますが、
突然の乗馬用語でイメージが掴みづらいかもしれませんが、少し乗馬用語を説明しましょう。
- 「常歩(なみあし)」はゆっくりと馬が歩いているイメージ。
ポク・ポク・ポク・ポクと4拍子のリズムでゆっくり馬が歩く様子です。
乗馬体験や、引き馬体験での馬の歩き方は殆どこれです - 速歩(はやあし)は、馬が小走りしているイメージ。
トーン、トーンと2拍子のリズム。
速歩に乗っていると、上下に強い揺れを感じますので、初心者のうちはバランスを取りにくいので、乗馬経験がないとなかなか難しいと思われます。
乗馬ライセンスでいうと、5級習得~4級相当 - 駆歩(かけあし)は、馬が走っているイメージ。
パカラン、パカランというリズム。
ある程度のレッスンを受けて、ひとりで乗れるくらいの鞍数(くらすう)を経験している人
乗馬ライセンスでいうと、4級習得~3級相当 - 襲歩(しゅうほ)は、馬が全力疾走するイメージ。
ダダダダッ、ダダダダッというリズム。
競馬の馬の走り方です。ホーストレッキング(外乗)では使われません。
ちなみに、時代劇の「暴れん坊将軍」のオープニングで砂浜を白馬でかっこよく走るシーンや、ドラマや映画等で森を走り抜けるシーンは馬の走り方から見ると、おそらく襲歩(しゅうほ)です。
自動車免許のように必ず乗馬ライセンスが必要という意味ではありませんが、技術レベルを確認するための指標として役に立ちやすいということです。
漢検やTOEICの資格や点数を持っていると「知識・技術があります」と提示することできたり、周りの人にも分かってもらえたりしますよね。それと似たような感じです。
襲歩は総合馬術競技のクロスカントリー種目で使います。馬の一番早い走り方です。
https://www.jothes.net/contents/column/2088/
実際に外乗・ホーストレッキングをするまでの流れ
実際に乗馬体験を予約~体験までの流れをイメージしやすいように簡単にまとめてみました。
「大阪 外乗」検索
↓
予約サイト・乗馬クラブ・施設サイトなどで予約
※必要情報などの確認
↓
現地に向かう
↓
支払い、安全講習、説明など
着替え、装具がある場合は着用(レンタル装備)
↓
外乗体験
↓
着替え、装具がある場合は返却
外乗体験終了!
施設によっては、当日予約してそのまま体験できるところもありますが、多くの場合は事前予約が必要です。また、屋外での体験の場合は天候によっては中止になる場合もあります。
※予約の際に、雨天時の対応、予約キャンセルの期日なども確認しておきましょう。
外乗・ホーストレッキングにかかる時間と費用
体験時間や費用は、体験の種類やプランによっても異なります。だいたいの目安を紹介します。
ここで紹介している「時間目安」とは馬に乗っている時間の目安です
体験の種類 | 時間目安 | 費用目安 |
外乗 ホーストレッキング | 約120分~ | 約20,000円~ |
約60分~ | 約10,000円~ | |
約30分~ | 約7,000円~ |
乗馬体験にかかる時間
外乗・ホーストレッキングは、事前説明や装具の装着・練習・休憩・着替えなどがさらに追加されます。上記の目安時間+30分~1時間を想定するとよいでしょう。
外乗・ホーストレッキングにかかる費用
料金は、体験できる施設や予約サイトによってさまざまです。装具の装着(乗馬ヘルメット・乗馬ブーツ・グローブ・ボディプロテクターなど)が必要になり「レンタル料金」や、万が一のための保険「保険料」などがさらに追加で必要になる場合、装具や保険を含んだ値段設定の場合もあります。
プランの費用だけを見て判断するのではなく、装具や保険・他必要費用の有無も要チェックすることをおすすめします!一見高そうに見えて、実は必要な料金が全て含まれたお得プランだったりすることもあります!
外乗・ホーストレッキングで必要な持ち物・服装について
いざ!体験するとなると、どのような服装で参加するのがよいか悩みますね。
乗馬=貴族のスポーツというイメージから燕尾服…?というわけではありません。体験時におすすめの服装と持っておくとよい持ち物をまとめました。
おすすめな服装と持ち物
長袖 | 日焼け防止、虫刺され防止になるので長袖がおすすめです |
長ズボン | スカートやショートパンツは×です。ジーンズやスキニーパンツなど |
タオル | 身体や顔の汗拭き用に2枚ほど |
靴下 | ふくらはぎまで長さのある靴下。くるぶし以上の長さ |
着替え | 汗をかいたり汚れたり匂いが着いたりするので着替えがあるとよいでしょう |
ビーチライドやマリンライドで海水に触れたり、濡れる可能性がある場合は、水着や濡れてもよい服装、濡れた衣類の持ち帰り袋の用意、スマホ貴重品の防水対策もお忘れなく。
持っておくと便利なもの
日焼け止め | 長袖でも、首の後ろ・耳の後ろ・手首が日焼けしやすいので注意 |
飲み物 | 運動には水分補給が必須です!お茶・スポーツドリンクなど |
虫よけ | 施設が自然の近くの場合が多いので虫対策もお忘れなく |
小型カメラ | 自分で乗りながら撮影することが難しくても、同行してくれるスタッフが撮影してくれることがあります。スマホやカメラを持っていきましょう ※馬の撮影時にフラッシュ使用は絶対に禁止です。馬が失明する恐れがあります |
ウエストポーチ ボディバッグ など | 貴重品やスマホをロッカーや金庫に預けれない場合や、 肌身離さずもっておく時に非常に役立ちます。カメラの持ち運びにも使えます。 |
外乗・ホーストレッキングで気を付けること
基本的な安全対策、スタッフや指導員に従うことのほかで気を付けることもまとめてみました。
- 開催日時の天候
- 交通状況
- 花粉症対策
- 虫さされ対策
- 熱中症対策
- 日焼け対策
- 乗り物よい(送迎バスなど)
- 眼鏡、コンタクト
乗馬体験はグループレッスンで行われる場合もあります。その場合は特に時間厳守になるので、体験参加当日の交通機関の遅延情報やバスの送迎時
認・雨天決行の有無、熱中症や日焼け対策も注意しておきましょう。花粉症の人は花粉対策、送迎バス利用の人は乗り物酔いにも気をつけておくとよいですよ。
※7/7現在
新型コロナウイルス対策で通常通りの営業を行っていない可能性もあります。予約時にあらかじめ確認しておきましょう。
外乗・ホーストレッキングが体験できる施設の選び方
この3点を要チェックして選べば間違いナシ
- 実際に外乗する時間(馬に乗れる時間)
- どういった走行コースなのか
- 料金内容の内訳
少しでも気になったらまずは検索してみましょう!
「都道府県 + 外乗」で検索するとそのエリア近くの外乗ができる施設が検索にヒットします
関東で外乗・ホーストレッキングができる施設・乗馬クラブ
関西で乗馬体験ができる施設・乗馬クラブ
関西の乗馬ができる施設、乗馬クラブなどをご紹介
【Q&A】外乗・ホーストレッキングのよくある質問・ギモン
乗馬体験に年齢制限はある?
乗馬そのものに年齢制限はありませんが、体験施設によっては制限があります。乗馬・外乗の場合は馬に指示を出すことを理解できる年齢であることとそれに伴う必要な身長があることが必須条件です。馬を動かすときに脚で指示を出すのですが、それに足が届くことも一人で乗れるかどうかのポイントになります。
乗馬体験に体重制限はある?
体験できる施設によって基準は異なりますが、
乗馬クラブクレインでは、体重90kg以下が目安になっています
子供の乗馬の様子を撮影したい。カメラ・ビデオの撮影はできる?
撮影OKな施設が多いと思われますが、他の参加者の様子や顔が映らないように配慮をしたり、SNSにアップするときはルールに気を付ける必要があります。また、馬に対してフラッシュを焚いての撮影は絶対に禁止です。付き添いのスタッフが撮影をしてくれる施設もあります。
汚れてもいい服装とは?どのくらい汚れる?
馬に触れるので衣服に馬の匂いがつきます。馬場やコースの土、泥、水が服に飛ぶ可能性があります。雨天や雨の後でぬかるんでいるときは汚れやすいですが、それ以外であれば着替えないといけないようなビショビショ、ドロドロに汚れることはあまりないと思われます。
乗馬の事故やケガってどういうものですか?
心配になるリスクですよね。乗っている馬から落ちる「落馬」、馬に手足や体を挟まれたり踏まれる、噛まれることによるケガの恐れがあります。馬の嫌がることをせず、指導員の指示に従っていればまず起きないでしょう。多くの体験施設では体験時には万一のための保険加入もあります。
屋外施設だし、リードをつけて愛犬を連れていってもいい?
基本的には殆どの乗馬クラブでは馬以外の動物「愛犬・愛猫など」を連れての入場は禁止されています。他の生物に馬が驚いて暴れたり、不慮の事故やケガが発生したりする可能性があります。稀に、オーナーの采配でワンちゃん猫ちゃんが施設内に居るケースもあるようです。乗馬クラブに限らず、利用する施設に一度確認をすることをおすすめします。
まとめ
- 外乗・ホーストレッキングは、外で乗る乗馬
- 海や山など様々な場所を走行するコースが存在する
- 乗馬ライセンス所持者・乗馬経験者は、経験者向けの特別なコースを楽しめる
乗馬が初めての未経験の人も、経験者さんも楽しめる「外乗・ホーストレッキング」は魅力的です。
刺激的な乗馬体験に、これからの乗馬ライフの目標やスパイスにもなる、とっておきのアクティビティです!ぜひ、いちど
心配な方はコンタクトレンズ着用でもよいとおもいます。